日本歯周病学会会誌
Online ISSN : 1880-408X
Print ISSN : 0385-0110
ISSN-L : 0385-0110
若年者の前歯部歯列不正の矯正治療および歯周治療の効果と経時的変化
柳村 光寛柳村 知子原 耕二篠倉 均花田 晃治
著者情報
ジャーナル フリー

1986 年 28 巻 1 号 p. 287-298

詳細
抄録

この研究の目的は若年者の前歯部歯列不正にともなって生じた歯周組織の炎症や異常 (深いポケット, 角化歯肉・付着歯肉の不足, 歯の動揺) に対して, 歯周治療と矯正治療を行い, その効果を長期にわたって観察し, このような問題をもつ若年者の治療効果について考察することである。Gingival Index, Probing depth, 角化歯肉幅, 付着歯肉幅, 歯の動揺度, プラークスコアの変化を2~3年6ヵ月にわたって治療を続けながら観察した。その結果, 1) G.I. は1.32±0.48が0.23±0.48に改善した (P<0.001) 。2) Probing depthは2.10±0.70mmが1.88±0.64mmに減少した (p<0.001) 。3) 角化歯肉幅は3.76±1.24mmが3.99±1.20mmに増加した (p<0.001) 。4) 付着歯肉幅も1.72±0.94mmが2.45±1.01mmに増加した (p<0.001) 。5) 歯の動揺度は0.37±0.50が0.04±0.20と著明に減少したP<0.001) 。6) プラークスコアは86.3±17.0%が30%台に下ったが, 個人差が大きいことも判明した。

著者関連情報
© 特定非営利活動法人日本歯周病学会
前の記事 次の記事
feedback
Top