日本歯周病学会会誌
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ラットの歯肉の創傷治癒におよぼす細菌性プロテアーゼとアロキサン糖尿病の影響
本多 隆保
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1986 年 28 巻 1 号 p. 39-55

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抄録

プラーク中に含まれる細菌性プロテアーゼと糖尿病が歯肉創傷部にどのような影響をおよぼすのかを明らかにする目的で, 正常ラットとアロキサン糖尿病ラットの上顎第一臼歯近心側歯肉に歯肉切除を施し, その切創部に生食水または細菌性プロテアーゼを毎日1回, 7日間塗布し, 切除後0, 1, 3, 5, 8, 11, 15, 22, 29, 36日目に動物を屠殺し, 切創部の歯周組織の治癒過程を肉眼的ならびに病理組織学的に検索した。その結果, 生食水を塗布した場合は, 正常ラットでは11日目に, アロキサン糖尿病ラットでは15日目にほぼ正常な状態に修復された。一方, 細菌性プロテアーゼを塗布した場合は, 正常ラットでは22日目にほぼ正常な状態に修復されたが, アロキサン糖尿病ラットでは36日目でもなお完全には修復されていなかった。

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