日本歯周病学会会誌
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歯周疾患患者における唾液, 血清の免疫学的研究
とくに分泌型IgA量について
今井 直巳
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1988 年 30 巻 1 号 p. 54-81

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抄録
臨床的に歯周疾患がどのような機序で発症, 進展していくかを解明するための一助として, 歯周疾患患者の非刺激全唾液中に存在する分泌型IgA量 (S-IgA量), 血清型IgA量, アルブミン量, および唾液の且owrateを考慮したS-IgA量, 血清型IgA量, アルブミン量, そして血清中に存在する各種免疫グロブリン量 (IgG, IgA, IgM), 補体量 (C3) について, 健常者群と患者群との各測定値の比較, および臨床所見との関係について各種の検討を加えた。なお, 唾液中の各成分の測定については, Electroimmuno-assayにより, 血液中の各成分については, Single radial immuno diffusion法によって測定した。
唾液中の血清型IgA量, アルブミン量およびflowrateを考慮した血清型IgA量, アルブミン量は, 患者群において有意に多く, Plaque IndexおよびGingival Indexと有意な相関を認めたが, 唾液中のS-IgA量, flowrateを考慮したS-IgA量は, 両群間に有意な差が認められず, 患者群においては, 臨床所見との問に有意な相関が認められなかった。一方, 健常者群においては, Gingival IndexとS-IgA量との問に負の相関が認められた。また, 血清中の各種免疫グロブリン量 (IgG, IgA, IgM) および補体量 (C3) は, 両群問に有意な差が認められず, また, 健常者群において, GingivalIndexと補体量 (C3) との間に有意な相関が認められたものの, その他は両群ともに臨床所見との間に有意な相関が認められなかった
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