1989 年 31 巻 2 号 p. 583-592
砥石およびシャープニング方法の差異がスケーラーの切縁と被切削試料の表面性状におよぼす影響について検討した。研削用試験機を用い, 砥石は1) インディァストーンファイン (ISF), 2) アーカンサスストーン (AS), 3) カーボランダムストーン (CS), 4) ISF使用後ASおよび5) CS使用後ASを用い, シャープニング方法は, 片側運動のPULL, PUSRストロークと往復運動 (RE) を組み合わせたシャープニングを行った。次にシャープニングしたスケーラーは被切削試料に対するインスツルメンテーションを行った。SEM写真にて切縁の粗さ, wire edgeの評価を行い, 被切削試料の評価を表面粗さの計測とSEM観察にて行い, 以下の結論を得た。 1. 切縁の粗さは, ISFおよびPUSH使用時に大きかった。2. wire edgeの数は, ISF, CSおよびPUSH使用時に多かった。3. 被切削試料面の表面粗さはISF, Cs使用時に大きく, AS使用時には小さく, また最初の10ストロークで半減した。