日本歯周病学会会誌
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歯間部歯周ポケットとその測定法に関する研究
浜口 茂雄
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1989 年 31 巻 2 号 p. 608-632

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抄録

隣接面接触点直下のプロービングでは, プローブ傾斜のために誤差を生じる。本研究では, 適切な歯間部歯周ポケット測定方法を確立する目的で, その誤差を補正した歯間部用プローブを開発し, 以下の結論を得た。
1. 隣接面接触点直下にプローブ先端が到達するために必要な傾斜角度は, 大臼歯部で最も大きく約30度であった。
2. 歯間部用プローブと, 従来型プローブの2種類を同一部位に使用した結果, 平均で0.56mmの誤差が存在した。
3. 歯間部における頬舌的歯槽骨吸収形態の予測は, 頬舌的に3点の歯周ポケットを測定することにより, ある程度可能であった。
4. 歯間部での歯周組織破壊の最も著明な部位は, 隣接面接触点直下とは限定されず, 歯群別により重篤な組織破壊部位は異った。以上から, 歯間部における適切な歯周ポケット測定方法は, 歯間部用プローブと従来型プローブを併用した頬舌的に3点の測定であり, この考えを応用した1歯に対して8点を測定する8点法により, 正確で詳細な歯周組織破壊状況の診査が可能になるものと考えられた。

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