日本歯周病学会会誌
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結晶化ガラス (CaO-P2O5-MgO-Si2O-CaF系) に関する基礎研究
1. 位相差顕微鏡による培養細胞の形態学的観察および細胞増殖について
吉本 由紀子原 宜興安部 達也赤峰 昭文前田 勝正青野 正男
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1989 年 31 巻 2 号 p. 640-650

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抄録

生体新素材の一種であるCaO-P2O5-MgO-SiO2-CaF系結晶化ガラスの細胞親和性の有無を調べる目的で, 4種類の樹立細胞を用いてin uitroにおける検索を行った。方法は, 8日間の位相差顕微鏡による形態学的観察と増殖曲線の作製により, 倍加時間および飽和密度を対照と比較した。その結果, 培養開始24時間以内に結晶化ガラスに付着する細胞が見られ, また形態学的に細胞障害性を示す所見は見られず, 良好な親和性が観察された。次に倍加時間は全細胞が対照よりも短く, 飽和密度は少なくとも対照の80%には達し, 増殖能に関しても問題はないものと思われた。以上の結果からCaO-P2O5-MgO-SiO2-CaF系結晶化ガラスは, 骨移植材やインプラント材として欠かすことのできない性質である細胞親和性を有していると考えられた。

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