日本歯周病学会会誌
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歯科保健活動における歯周疾患治療に関する研究
第1報: CPITNを用いたスクリーニングと集団治療の効果
田原 洋李 鍾賀山口 進也石川 一郎佐藤 博増永 浩吉本 哲松江 美代子松江 一郎
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1989 年 31 巻 2 号 p. 675-690

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抄録

集団を対象とした歯科疾患, 特に歯周疾患の予防と治療を目的に, パン工場従業員473名を対象に集団検診, 集団治療を行った。CPITNによりスクリーニングされた有疾患者228名にプライマリーケア, アンケート調査, 診断指導書の配布などの集団治療を実施した結果, 137名が9ヵ月後の再評価検査まで治療を継続した。
全対象者473名中, 100%の患者で何らかの歯周治療が必要と判定された。喪失歯数とウ蝕歯数は40歳代から急激な増加を示し, 歯周疾患は20歳代後半と50歳代前半に有病者の増加する傾向が見られた。治療対象者に行った問診, 精密検査では, CPITN個人コードとブラッシング習慣, 歯肉出血の自覚, PMAindex, 歯周ポケット値との間に正の相関が認められた。検診終了時には, ブラッシング習慣, PCR値の改善, 歯周疾患に対する認識の向上が認められ, その傾向はCPITN個人コードの高い群で著明だった。

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