抄録
成人性歯周炎患者におけるT細胞機能を知る目的で, 免疫調節機構の一端を表現していると考えられる末梢血リンパ球の自己リンパ球混合培養反応 (AMLR) を行い, さらにその反応性に関与する因子について検討した。その結果, 患者の約40%にAMLR値の低下が認められた。AMLR値の低下を示す患者ではAMLRの反応細胞であるT細胞のうちCD4陽性CD45R陽性細胞率の減少およびIL-2産生能の減少が観察され, AMLR値の低下の原因となっている可能性が示唆された。さらにこれらの患者では歯周治療に伴いAMLR値やCD4陽性CD45R陽性細胞率が上昇し, 健常者群の値域に近づく傾向が観察された。以上のことから, 成人性歯周炎の中にはAMLRの反応性の低下を認める病型が存在することが強く示唆された。そしてこれらの患者では, 局所の何らかの因子による末梢血リンパ球サブセットの変動が惹起されており, 末梢血レベルでT細胞の免疫調節機構の異常が生じている可能性が推測された。