日本歯周病学会会誌
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咬合性外傷における歯槽骨エックス線像の画像解析による基礎的検討
2. 歯槽骨吸収形態と咬合接触関係に関する研究
荒木 久生
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1990 年 32 巻 2 号 p. 587-602

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抄録

咬頭嵌合位での早期接触が歯槽骨吸収の原因の一つであると考えられる16症例 (27歳~62歳の男女16名) について, 歯槽骨吸収形態と咬合接触関係との関連性について検索することを目的に, 画像解析装置を用いて歯槽骨吸収形態と咬頭嵌合位での早期接触部位, 咬合接触部位および咬合接触面積を観察した。その結果, (1) 早期接触部位がI型吸収では歯槽骨吸収側に, II型吸収とIII型吸収では頬側咬頭外斜面と頬側咬頭内科面に多く認められた。 (2) Occlusal Contact Area (OCA) 領域とLuminosity Grade 1 (LG 1) 領域が1型吸収では歯槽骨吸収側に, II型吸収では頬側咬頭外斜面, 内斜面および遠心辺縁隆線に, III型吸収では頬側咬頭外斜面, 頬側咬頭内斜面および舌側咬頭内斜面に分布する傾向頬側咬頭内斜面, 舌側咬頭が認められた。 (3) O CA領域とLG 1領域の咬頭外斜面と内斜面部への分布は, I型吸収とII型吸収では内科面に比較して外斜面に広い分布に認められた。III型吸収では内斜面部に広い分布が認められた。

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