日本歯周病学会会誌
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アテロコラーゲン膜移植後の歯周組織再生に関する基礎的検討
コラーゲンの化学的架橋度の相違による生体内溶解時期の差異と創傷治癒反応について
古郷 辰二三辺 正人伏見 肇児玉 利朗田村 利之石渡 康介宮島 実堀 俊雄
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1990 年 32 巻 2 号 p. 635-641

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抄録
本研究では, 化学的架橋度の異なるatelocollagen膜移植が歯周外科手術後の創傷治癒に及ぼす影響について基礎的検討を行った。
実験方法は, 14頭の雑種成犬を用い, M1P4P2P1I2 I2P1P3P4M1 M1P4P3P1I2 I2P1P3P4M1の頬側歯肉に弧状切開を加え, 粘膜弁あるいは粘膜骨膜弁にて剥離後, 化学的架橋度の異なる5種類のatelocollagen膜を移植し, 術後1, 3, 5, 7, 14, 21, 28日で屠殺した。検索方法は, 創傷部における膜の生体内溶解時期および経時的な治癒反応について病理組織学的に検索を行った。
その結果, 化学的架橋度が高くなるにつれて膜の生体内溶解時期が遅延する傾向が認められたが, 移植後の経時的な炎症反応については著明な差異が認められなかった。また, 架橋度の高い膜 (Col. ×5, Col. ×10) は移植後28日においても残存し, 粘膜下移植および骨膜下移植の両者間において, 膜周囲を構成する組織に形態学的差異が認められた。
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