抄録
本研究目的は, 成人性歯周炎の根面の歯銀縁下プラークにおけるPorphyromonas (Bacteroides) gingivalis, Treponemadenticolaの分布状態を検討することである。重度歯周炎患者9名から採取した抜去歯14歯を歯齦縁から根端側方向に0-2mm, 2-4mm, 4-6mm, 6mm以上の部位に分けて, 光学顕微鏡並びに電子顕微鏡にて観察した。P. gingivalis, T. denticolaに対するウサギ免疫血清を用いて免疫組織化学的に検索した結果, 両菌種共に4mm以上の深い部位のプラークに著明に検出された。プラーク最表層にはT. denticolaが, その直下にはP. gingivalisの集簇が認められた。また6mm以上の歯周ポケット底部付近に相当する部位では, 両者はプラーク全域に検出され, P. gingivalisが存在する周囲にはT. denticolaの局在が観察された。以上の結果から, P. gingivalis, T. denticolaは共存関係をもって歯周ポケットの深い部位に存在し, 歯周炎の進行に重要な役割を担っていることが示唆された。