抄録
本研究は, 夜間睡眠中に生じる顎運動を記録する装置を開発し, この装置を用いてbruxismの自覚の有無による睡眠中の顎運動の違いについて調査することである。睡眠中の顎運動を記録する目的で開発した装置は, 発光ダイオード (LED) と光電式変位検出センサーから構成され, 下顎の側方・前方方向の移動をテレメータ方式で記録するものである。
本研究はこの装置に, EMG, 加速度計, コンデンサーマイクロフォンを組み合わせて, 顎運動, 左右咬筋筋活動, 咬合接触, 咬合接触音を記録した。被験者は歯周組織が健康な27~32歳の男性で, bruxism自覚者2名, 無自覚者2名を選択し, 5夜繰り返し記録した。その結果, 睡眠中のbruxism時の顎運動を記録することが可能になり, さらに顎運動とEMGからgrinding・cienching・ その他の3種に分類できた。またbruxismを自覚する被験者は自覚しない被験者に比べgrindingの出現率が有意に高いのに対し, 自覚しない被験者はclenchingの出現率が有意に高かった。