日本歯周病学会会誌
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メインテナンス時に出血がみられた浅い歯周ポケットに対するdebridementの効果
末田 武竹内 誠南 睦美横田 誠
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1992 年 34 巻 2 号 p. 514-520

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抄録

メインテナンスの診査で, プロービング時の出血が見られた浅いポケットに対するdebridementの効果を調べた。メインテナンスの診査時にProbing Depthが3mm以下であるにもかかわらずプロービング時の出血がみられた部位を被験部位とし, 歯肉縁下プラークをキュレットタイプのスケーラーで機械的に除去 (debridement) した場合の効果に いて調べた。診査項目として, 1) Probing Depth, 2) Bleeding on Probing, 3) Probing Attachment Level, 4) プラーク付着率, 5) 歯肉縁下細菌の形態学的観察を行った。メインテナンス時および1週間後に診査, debridement処置を行い, 3ヵ月後のリコール時に再度診査を行った。なお, debridement処置を行わなかったものをコントロールとした。その結果debridementを行った群とcontrol群との間で臨床状態に及ぼす影響には有意の差はなかった。なお, 歯肉縁下のプラークコントロールは, 両群とも良好に保たれていた。したがって, 歯肉縁下のプラークコントロールが十分行われていれば, メインテナンス中に出血が認められた浅いポケットに対し, 歯肉縁下プラークの除去を行っても大きな効果はないことが示唆された。

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