日本歯周病学会会誌
Online ISSN : 1880-408X
Print ISSN : 0385-0110
ISSN-L : 0385-0110
プラークによる炎症が組織再生誘導法の治癒に及ぼす影響
北村 秀和日高 庸行高橋 敬人青木 栄夫佐和 正彦島 信博山田 了
著者情報
ジャーナル フリー

1992 年 34 巻 4 号 p. 829-835

詳細
抄録

Guided tissue regeneration (GTR) 法による治癒形態に対するプラークによる炎症の影響を評価するためイヌを用いて以下のような実験を行った。イヌの根面に対照群ではフラップ手術, 実験群ではGTR法を施し, 術後プラークコントロールを行わずに24週間経過後に実験部位の標本を作製し, 病理組織学的に検索した。その結果, 対照群では多量のプラークの沈着, アタッチメントの喪失を伴う深い歯周ポケットの形成, 広範囲に渡る炎症性細胞浸潤, 歯槽骨の吸収を生じていた。実験群では-歯銀辺縁部に限局した炎症性細胞浸潤を認めたが, ルートプレーニングされた根面には白亜質, 歯槽骨の新生を伴う新付着治癒が観察され, 全く炎症性細胞浸潤は認められなかった。以上のことよりGTR法後の治癒で獲i得した新付着はプラークに対する強い防御機構を有していることが示唆された。

著者関連情報
© 特定非営利活動法人日本歯周病学会
前の記事 次の記事
feedback
Top