抄録
熱ショック蛋白質 (hsp) と歯周炎との関わりを探る第一歩として, ヒト歯根膜由来線維芽細胞PDL) におけるhsp遺伝子発現をRT-PCR法を用いて検討した。 (
Hsp70, hsp60遺伝子ともに無刺激下でもPDLにおける発現が確認された。また, hsp70は, 42℃, 1時間のheatshock処理およびActinoobacillus actinomycetemcomitans, E. coliの破砕液の24時間刺激により, その発現の増強が認められたが, Streptococcus sanguis, Lactobacillus caseiの破砕液刺激では変化は認められなかった。また, hsp60については上記の刺激によっても発現の増強は認められなかった。今回の結果から, 細菌破砕液がhsp70発現を誘導し得るストレスとなり, また歯周病原性細菌による感染の際に歯周組織のhsp70の発現量が増大する可能性が推察された。本論文の要旨は, 第37回秋季日本歯周病学会 (1994年10月6日) において発表した。