抄録
本実験は, 歯周組織由来細胞が組織再生に関して影響を及ぼすという報告に基づき, 培養細胞による歯本論文の要旨は, 第37回秋季日本歯周病学会学術大会 (1994年10月7日) において発表した。周組織再生療法の可能性を検索することを目的とした。実験は, 3次元構造を有する細胞凝集塊 (スフェロイド) を用い, その特徴について基礎的検索を行った。歯肉由来線維芽細胞, 歯根膜由来線維芽細胞, 歯槽骨由来細胞を, 長期培養することでヒト歯周組織由来スフェロイドを形成させた。さらに, タイプI・IIIコラーゲンに対する複抗体, また細胞増殖の指標である増殖細胞核抗原 (PCNA: proliferatingcellnuclearantigen) の単抗体を用い, その発現を免疫組織化学的に検索した。その結果, 各々のスフェロイドはタイプI・IIIコラーゲンを産生すると共に, 辺縁部には増殖活性を有する細胞の存在が明らかとなった。また, スフェロイドは, 豊富な細胞外基質を含有する事から, 歯周組織再生療法への応用の可能性を有するものと思われる。