1995 年 37 巻 2 号 p. 317-324
2.18%乳酸アルミニウム配合液体歯磨剤の象牙質知覚過敏に対する緩和効果を調べるために, 乳酸アルミニウム無配合液体歯磨剤を対照として, 84名の被験者を対象に, 二重盲検法により6週間にわたる比較検討を行った。その結果, 両群ともに擦過, 冷気, 冷水のいずれの刺激による評価方法においても, 経時的に有意な知覚過敏指数の改善が認められた。また, 試験群は対照群に比べ, 試験開始4週時以降その改善効果が高い傾向にあり, 擦過痛, 冷気痛の6週時において有意に高かった。なお, 6週時における試験群の改善率は, 擦過痛75.3%, 冷気痛64.1%, 冷水痛67.0%であった。一方, 副作用については, 口唇内面に本試験製剤との因果関係不明の一過性の白斑が生じた1症例を除き, とくに問題となるようなものは認められなかった。
以上の結果から, 2.18%乳酸アルミニウム配合液体歯磨剤は, 象牙質知覚過敏の症状緩和に優れた効果を発揮することが示唆された。