日本歯周病学会会誌
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ヒト歯肉由来線維芽細胞による歯根面への線維性付着の形成
佐藤 恭代松尾 朗坂倉 康則矢嶋 俊彦
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1997 年 39 巻 3 号 p. 299-312

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抄録
細胞培養実験系を用いて, 埋伏歯ならびに歯周疾患罹患歯の実験的処理根面におけるヒト歯肉由来線維芽細胞の移動・配列ならびに線維 (結合組織) 性付着の形成を研究した。
ルートプレーニング後, クエン酸で部分脱灰処理した埋伏歯と歯周疾患罹患歯の歯根横断切片 (100μm) を作製した。それらの実験歯片を線維芽細胞の前培養で形成したシート構造上に静置・密着させ, 位相差顕微鏡・暗視野顕微鏡で細胞動態を経時的に観察した。処理歯根面では, 培養開始4時間で, 線維芽細胞は歯根面へ移動・付着, 歯根面に垂直に配列し, 細胞外基質の産生を始めた。培養1週で, シャーレ底面とセメント質問に細胞と線維からなるシート構造が形成され, 新生コラーゲン細線維と露出セメント基質コラーゲンとの結合が観察された。処理歯根面への細胞付着率に埋伏歯と歯周疾患罹患歯での差異は認められなかった。
歯周疾患罹患歯歯根へのルートプレーニングと部分的脱灰処理は線維性付着への適切な処理の一つであることが示唆された。本細胞培養系は歯周疾患罹患歯の根面処理のin vitroでの評価と根面への線維性付着機構の解明に有用な実験系であることも示めされた。
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