日本歯周病学会会誌
Online ISSN : 1880-408X
Print ISSN : 0385-0110
ISSN-L : 0385-0110
Nd: YAGレーザー照射によるセメント質表面の硬度. Ca/P比および表面形態の変化について
山田 泰生福田 光男箕浦 伸吾石川 和弘多湖 準三輪 晃資杉 大介鈴木 弘毅野口 俊英
著者情報
ジャーナル フリー

1997 年 39 巻 3 号 p. 348-354

詳細
抄録
現在まで. レーザーの照射によってエナメル質の硬度が増加したという報告は多い。もし. セメント質へのレーザー照射で同様のことが認められるなら. 根面ウ蝕および歯周病の予防に有効と思われる。本研究の目的は. Nd: YAGレーザーのセメント質への照射によりセメント質の硬度. Ca/P比. 表面の形態学的変化がどのように起こるかを検討することにある。歯周病に罹患していない健全な歯を20本用いた。残存している歯根膜線維はコラゲナーゼを用いて除去した。除去後. セメント-エナメル境より根尖側約5mmの平坦な部分を75ヵ所選び3t×3mmの照射野を設定し. 被験部位とした。この被験部位のうち25試片 (10試片を硬度測定. 10試片をCa/P比測定. 5試片をSEM観察) をコントロールとした。また. 残りの50試片のうち25試片 (10試片を硬度測定. 10試片をCa/P比測定. 5試片をSEM観察) を30mJ群. 25試片 (10試片を硬度測定. 10試片をCa/P比測定. 5試片をSEM観察) を50mJ群とした。照射後5×5mmの試片にカットし. ヌープ硬さの測定を25gの荷重で行った。さらに3×3mmの試片を切りだし. 一部をCa/P比測定のためのXMA用に. 残りをSEM観察用に通法通りの手順で前処理した。ヌープ硬さは. コントロール群24.95±6.59Hk. 30mJ群39.58±16.16Hk. 50mJ群51.42±20.93Hkで. 両照射群でコントロール群に比べ有意に増加した。Ca/P比は. コントロール群1.76. 30mJ群1.78. 50 mJ群1.84であった。50mJ群ではコントロールとの間に有意な差が認められた。SEM観察ではコントロール群では残存線維は認められず. 比較的平坦な面を呈していた。30mJ群では溶解した像はほとんど認められず平坦であった。50mJ群では溶解し再凝固したような像が高頻度に観察された。以上よりセメント質の形態学的な変化がほとんど生じない30mJの照射でも表層の硬さ. Ca/P比など. 物理的な質的変化の起こることが明らかとなった。
著者関連情報
© 特定非営利活動法人日本歯周病学会
前の記事 次の記事
feedback
Top