日本歯周病学会会誌
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GTR法における膜露出の対応法
症例報告
大澤 銀子仲谷 寛永田 達也西澤 聡西澤 和利小島 武志鴨井 久一
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1997 年 39 巻 3 号 p. 382-389

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抄録
GTR法の併発症として歯肉弁の退縮による膜の露出が多く報告されている。膜の露出に伴う問題点として, 感染の危険性の上昇や再生組織量の減少が考えられる。また, 歯肉弁が大きく退縮すると膜摘出後に再生組織を被覆することが困難となる症例も多い。そこで, 非吸収性膜を用いたGTR法で大きく膜が露出した症例に対し, 膜摘出時に上皮下結合組織移植を併用した。患者は42歳, 女性。歯肉の腫脹を主訴に来院。中等度の成人性歯周炎と診断された。初期治療後, 上顎右側第1小臼歯近心側の深い垂直性骨欠損に対して, 非吸収性膜 (Gore Tex Periodontal Material) を用いたGTR法を施行した。手術後1週目より歯肉弁の退縮による膜露出が認められた。その後も歯肉の退縮, 膜の露出も徐々に拡大したため, 5週目に膜除去のための手術を行うことにした。膜の下にはラバー様硬度の再生組織が存在したが, 歯肉弁の退縮が大きく再生組織の被覆は困難であった。再生組織を被覆する目的で口蓋歯肉より上皮下結合組織を採取し, 移植した。その結果, 良好な歯肉形態および組織再生が得られた。以上の結果, GTR法において歯肉退縮により膜の露出を示した症例に対し, 膜除去時に上皮下結合組織移植を行うことは, 再生組織の被覆また審美的に良好な結果が得られる有効な方法の一つであると考えられる。
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