日本歯周病学会会誌
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辺縁性歯周疾患患者の歯肉に認められた石灰化物について
長谷川 亨大口 弘和佐原 紀行鈴木 和夫
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キーワード: 石灰化物, ヒト, 歯肉, 歯周病, 炎症
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1997 年 39 巻 4 号 p. 482-494

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抄録
辺縁性歯周疾患患者の歯肉組織内に認められた石灰化物の種類, 出現頻度, 由来, さらにその形成機序について検討した。切除された歯肉は, 生理的食塩水で十分洗った後, 4%パラホルムアルデヒドと0.5%グルタルアルデヒド混合液で固定した。光顕レベルの観察には, JB-4包埋の5μm連続切片を作製し, H・E, トルイジンブルー, PAS や Von Kossa染色などを施した。電顕的観察には, 試料をエポキシ樹脂に包埋し, 超薄切後, 透過型電顕を用いて観察した。今回観察した100症例中64症例において歯肉組織内に何らかの石灰化物が認められた。石灰化物の種類と出現頻度は, 歯牙片 (31%), 骨片 (24%), セメント質粒 (14%), 細菌菌塊による石灰化物 (15%), 結合組織性の石灰化物 (13%), リング状の石灰化物 (2%), 血管内の石灰化物 (13%) であった。辺縁性歯周疾患患者の歯肉では, 慢性炎症により壊死した結合組織が石灰化したと思われる構造物の他にも, スケーリング, ルートプレーニングやフラップオペレーションなどにより歯肉組織内に迷入したと考えられる歯牙片や細菌菌塊による石灰化物が高頻度で認められた。以上の結果より, 歯周病治療の手技を行うにあたっては注意深く, また術前や術後の患部の洗浄, 消毒に十分配慮する必要があると考えられた
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