日本歯周病学会会誌
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39 巻, 4 号
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  • 佐藤 香, 深井 浩一, 加藤 まり
    1997 年39 巻4 号 p. 405-420
    発行日: 1997/12/28
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    この研究の目的は臨床データをもとに治療の各ステージにおける効率的な歯周ポケット (以下PD) の測定点を検討することである。
    研究1では歯周炎患者を対象に初診時 (102名2, 426歯), 治療後の再評価時 (84名1, 890歯) に6点法でPDの測定を行い, その歯面別PD発現状況の分析から1点法, 4点法, 6点法といった1歯における測定点数の違いが臨床診断に及ぼす影響を考察した。また20名の患者で各方法の所要時間を比較した。研究2では, メインテナンス患者 (33名689歯) における治療後のPDの推移を調べ, メインテナンス時における効率的なPD測定点について考察した。
    研究1の結果から1点法は罹患歯の見落としがなく時間的にも有利でスクリーニングに適しているが, 歯の全周にわたる病変の拡がりの把握に問題を認めた。4点法は最も罹患程度の高い舌側隣接面の測定を含まず初診時で16.9%, 再評価時で47.5%の4mm以上PD保有歯を検出できない可能性が示された。6点法は最も正確な臨床診断が可能だが, 測定に時間を要するという欠点があげられた。また研究2の結果からメインテナンス時のPDの変動は全体としては小さく, 4mm以上PDの発現も1%以下であった。またその変動は歯面や歯種, 初診時, メインテナンス移行時のPDの深さによって異なり, このような部位ごとのリスクを考慮した測定点数と部位の組合せにより, 測定の効率化が可能と思われた。
  • 小川 智久, 小延 裕之, 鴨井 久一
    1997 年39 巻4 号 p. 421-431
    発行日: 1997/12/28
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    本研究では, 歯周病原性微生物であるPrevotella intermedia (P. intermedia) の超音波抽出物が, 宿主防御細胞の主体をなす多形核白血球 (PMN) の重要な機能の一つである異物に対する貪食能力に与える影響の定量と, それに関連していると考えられているの細胞膜表面に存在するFcγレセプター, C3biレセプターの発現状況について健常者のPMNを用いフローサイトメーターにて検索し以下の結果を得た。
    1. PMNの貪食能は, P. intermedia超音波抽出物によって濃度依存性を持って低下する。
    2. PMNの細胞膜表面上のFcγレセプターの発現量は, P. intermedia超音波抽出物の処理により低下し, 貪食能との関係は有意な相関が認められた。
    3. PMNの細胞膜表面上のC3biレセプターの発現量は, P. intermedia超音波抽出物の処理により増加し, 貪食能との関係は負の相関が認められた。
    4. P. intermedia超音波抽出物を100℃, 30分間の加熱処理またはProteinase Kで処理することにより, 貪食能およびレセプターの発現量に対する作用は消失する。
    以上のことより, P. intermediaの超音波抽出物はPMNの機能を変化させ, また細胞膜表面上のレセプターの発現に影響を与えることが示唆された。
  • 島田 顕, 齋藤 彰, 加藤 ヒロシ
    1997 年39 巻4 号 p. 432-442
    発行日: 1997/12/28
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    重度歯周炎罹患歯に歯周組織を再生させる新しい治療法の開発を目指し, 抜去歯に残存する歯根膜をin vitroで培養し, ルートプレーニングした露出根面への歯根膜細胞の遊走増殖を経時的に観察し検討した。成ネコ7頭の犬歯を抜去し, 歯根中央にノッチを付与して根尖側1/2の歯根膜を保存し, 歯冠側を露出根面 (5.3±1.4mm) とした30試験片を作製した。in vitroで0, 2, 4, 6週間培養し, 歯根膜由来細胞の観察と細胞遊走距離の計測を行った。その結果, 細胞遊走距離は2週では0.8±0.2mmだったが, 4週ではノッチを大さく越えて露出根面へ遊走し4.6±1.9mmとなり, ノッチ付近では細胞密度が高く, 歯冠側へ向かって細胞密度が低くなっていた。6週では5.2±1.4mmとなり露出根面全体をほぼ被覆し, 細胞密度の高い部分が拡大していた。残存歯根膜では表層の細胞が経時的に増加し, 歯根膜内部の細胞は減少していた。アルカリフォスファターゼは, 6週で残存歯根膜全面および露出根面に増殖した細胞のうちノッチから約2mmの部位に認められた。増殖核抗原陽性細胞は残存歯根膜の表面と, 露出根面に増殖した歯根膜由来細胞の最表層全面に認められた。これらの結果, 抜去歯に残存する歯根膜をin vitroで培養すると, 歯根膜由来細胞は露出根面へ遊走増殖して根面を被覆し, 歯根膜細胞の特性を維持している可能性が高いことが示唆された。
  • 神田 浩, 上田 雅俊, 今井 久夫
    1997 年39 巻4 号 p. 443-455
    発行日: 1997/12/28
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    加圧回転式ブラッシングの代表的方法あるローリング法における歯ブラシ線維の損耗が, ブラッシング時の歯みがき圧およびプラークの除去効果にどのような影響を及ぼすかをin vivoおよびin vitroの両面から検討した。すなわち, in vivo実験では, ローリング法を被験者に行わせ, 歯ブラシ線維の損耗と歯みがき圧との関連性について経週的に観察を行った。その結果, 頻回使用により, 歯ブラシが損耗する (歯ブラシ線維先端の位置の変化, 形態学的変化ならびに歯ブラシ線維の硬度試験) と歯みがき圧が増加することが確認できた。また, in vitro実験では, 独自に考案したin vivoにおけるローリング法と同じ動作が可能なブラッシングマシンを使用し, 歯ブラシの損耗が実験的プラーク除去効果にどのような影響を及ぼすかについて客観的に評価した。その結果, 歯ブラシが損耗する (歯ブラシ線維の硬化の低下) と, 実験的プラークの除去効果 (実験的プラークのscratching areaの面積%, 実験的プラークをほどこしたmetallic plateの重量差) が低下する傾向が確認できた。
    これらの結果から, 歯ブラシの形態変化のみならず, プラーク除去効果の面からも, ローリング法用歯ブラシの使用限界は, 使用圧の大小にかかわらず, 3から4週程度と考えられ, 主観的判断によりとらえられていたことが, より客観的に評価できたといえる。
  • 大森 広雄, 池田 雅彦, 加藤 熈
    1997 年39 巻4 号 p. 456-466
    発行日: 1997/12/28
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    大臼歯の根分岐部病変に及ぼすブラキシズムの影響を臨床的に検討する目的で, 実験1として根分岐部病変を有する被験者45人の根分岐部病変の程度, 歯周炎の程度, ブラキシズムの程度を調べ, さらに実験2として実験1の検査後22ヵ月間の歯周病の管理と再診査に応じた37人を, 実験1の検査後オクルーザルスプリント1年以上装着者と短期間のみ装着者に分け, 根分岐部病変の変化, 分岐部病変歯肉縁下の細菌叢とくにPor-phyromonas gingivalis, prevotella intermedia, Actinobacillus actinomycetemcomitansの総菌数に対する割合を間接蛍光抗体法により調べた。その結果, 大臼歯の根分岐部病変の程度はブラキシズムの程度が強いほど進行していた。オクルーザルスプリント長期間装着者には分岐部病変の改善が認められ, 短期装着者との間に差がみられた。一方分岐部病変歯肉縁下のP. gingivalis, P. intermedia, A. actinomycetemcomitansの総菌数に対する割合は, スプリント長期装着者と短期装着者との間で差はなく, スプリント装着による分岐部病変の改善には, 細菌叢の影響は少なく, 咬合性外傷改善の影響が反映していると考えられた。以上より夜間ブラキシズムは, 大臼歯の根分岐部病変に影響を及ぼしていることが示唆された。
  • 高橋 大郎, 加藤 ヒロシ, 久保木 芳徳
    1997 年39 巻4 号 p. 467-481
    発行日: 1997/12/28
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    本研究はrhBMP-2を応用した歯周組織再生療法の臨床応用を検討する目的で担体に改良型コラーゲン線維膜 (改良FCM 1) とポリ乳酸/ゼラチン複合体 (PGS) を用いて, 病理組織学的ならびに組織計測学的に検討した。実験1では改良FCM 1とPGSに1, 5, 10μgのrhBMP-2を配合し, ネコ (N=8) の犬歯頬側遠心の骨面上に移植して, 骨誘導が生じる配合比率を検討した結果, 適切な配合比率は改良FCM 1は1mgあたり1μgのrhBMP-2, PGSは3mm3あたり1μgのrhBMP-2であった。実験2ではネコ (N=10) の前臼歯に根分岐部III級骨欠損を作製し, 根面をルートプレーニングしてセメント質を除去し, 担体に実験1で判定した配合比率でrhBMP-2を配合して移植した。観察期間を6週と12週とし, 臨床的, 病理組織学的観察, 組織学的計測を行った。実験群では炎症所見はほとんどなく, X線所見では根分岐部の不透過性が経時的に増加した。歯周組織の再生量は改良FCM 1では歯槽骨は2.58mm, セメント質は2.50mm, 歯根膜は2.39mm, PGSでは歯槽骨は2.57mm, セメント質は2.93mm, 歯根膜は2.62mmであり, 両方の担体とも適切な配合比率でrhBMP-2を移植すれば歯周組織再生療法に有効と思われた。しかし, 改良FCM1では根面と新生骨の癒着が8 歯中3歯に観察され, PGSでは根分岐部へ上皮の侵入している例が見られ, さらに担体の改良や使用方法の検討が必要であると考えられる。
  • 長谷川 亨, 大口 弘和, 佐原 紀行, 鈴木 和夫
    1997 年39 巻4 号 p. 482-494
    発行日: 1997/12/28
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    辺縁性歯周疾患患者の歯肉組織内に認められた石灰化物の種類, 出現頻度, 由来, さらにその形成機序について検討した。切除された歯肉は, 生理的食塩水で十分洗った後, 4%パラホルムアルデヒドと0.5%グルタルアルデヒド混合液で固定した。光顕レベルの観察には, JB-4包埋の5μm連続切片を作製し, H・E, トルイジンブルー, PAS や Von Kossa染色などを施した。電顕的観察には, 試料をエポキシ樹脂に包埋し, 超薄切後, 透過型電顕を用いて観察した。今回観察した100症例中64症例において歯肉組織内に何らかの石灰化物が認められた。石灰化物の種類と出現頻度は, 歯牙片 (31%), 骨片 (24%), セメント質粒 (14%), 細菌菌塊による石灰化物 (15%), 結合組織性の石灰化物 (13%), リング状の石灰化物 (2%), 血管内の石灰化物 (13%) であった。辺縁性歯周疾患患者の歯肉では, 慢性炎症により壊死した結合組織が石灰化したと思われる構造物の他にも, スケーリング, ルートプレーニングやフラップオペレーションなどにより歯肉組織内に迷入したと考えられる歯牙片や細菌菌塊による石灰化物が高頻度で認められた。以上の結果より, 歯周病治療の手技を行うにあたっては注意深く, また術前や術後の患部の洗浄, 消毒に十分配慮する必要があると考えられた
  • 織井 弘道, 森谷 良智, 難波 幸一, 海老原 直樹, 川本 和弘, 伊藤 公一, 村井 正大
    1997 年39 巻4 号 p. 495-502
    発行日: 1997/12/28
    公開日: 2010/11/29
    ジャーナル フリー
    本研究は, チタン製インプラントにプラークや歯石が付着した場合を想定し, 日常臨床で用いられている種々の清掃法によってチタン表面を処理し, それが培養細胞の初期付着に対してどのような影響を及ぼすのかについて検討したものである。実験材料として, チタンを99.5%以上含むチタン板を実験に供試した。チタン表面にプラークや歯石が付着したことを想定し油性マジックを塗り, それを手用キュレット型スケーラー (HSc), 超音波スケーラー (USc), 歯面研磨装置 (QJ), ラバーカップ (RC: 歯面研磨剤を併用), プラスチックスケーラー (PSc) で除去した後の表面粗さ (中心線平均粗さ) を計測した。なお, 未処理のチタン板をコントロール (C) とした。次に, そのチタン板を滅菌後, チタン表面にヒト歯槽骨由来骨芽細胞およびヒト歯肉線維芽細胞を播種し, 通法に従い3, 6, 12および24時間培養を行い, 走査電子顕微鏡により付着細胞数のカウント, 細胞形態の観察を行った。その結果, チタン板の表面粗さには, HSc-QJ, HSc-RC, HSc-PSc, HSc-C, USc-QJ, USc-RC, USc-PSc, およびUSc-C間において統計学的有意差が認められた (p<0.05) 。走査電子顕微鏡観察によると, HSc, UScによって処理したチタン板上の細胞はCと比較して発育が悪く, 付着細胞数も減少傾向にあった。QJでは付着細胞数において減少傾向が見られたが, 細胞形態自体にはさほど影響は見られなかった。RC, PScでは細胞形態, 付着細胞数ともに良好な結果が得られた。よって, in vitroにおいて, 培養細胞の付着様相は粗いチタン表面よりも, 平滑なチタン表面のほうが良好であることから, チタン表面がプラークで汚染された場合の清掃法として, プロフィーペーストとラバーカップの併用あるいはプラスチックスケーラーによる方法は, 有効であることが示唆された。
  • 五味 一博, 小林 禎子, 小鮒 正明, 金指 幹元, 平井 美菜子, 新井 高
    1997 年39 巻4 号 p. 503-512
    発行日: 1997/12/28
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    最近, guided tissue regeneration (GTR) 法により, 新付着や骨の再生が生じること, bonemor-phogenetic protein (BMP) が人工骨欠損部ないしは異所性に明らかな骨の新生を生じることが報告されている。我々は培養細胞を用いることにより, 新付着を伴った骨の再生を獲得する方法を確立する第一歩として, 培養骨原性細胞と多孔性ハイドロキシアパタイト (HAP) とを複合化したハイブリッド体がin vivoにおいて異所性に骨を形成するかについて検索を行った。
    ラット骨髄細胞および骨髄細胞を継代した1代目の細胞を, 骨芽細胞へと分化しうる可能性のある骨原性細胞として用いた。これらの細胞をデキサメタゾン, β-グリセロリン酸およびアスコルビン酸を含むα-MEMを用い, 多孔性HAP顆粒上で1週間培養した。培養骨原性細胞とHAPとのハイブリッド体は移植に先立ちリン酸緩衝液中で3時間培養し, ラット皮下に移植した。移植後5週の試料を組織学的に検索したところ, HAP顆粒表面および内部に骨組織の形成を認めた。しかしながら, コントロールにおいては骨の形成を認めなかった。
    以上よりハイブリッド体 (ハイドロキシアパタイトと初代骨髄細胞および骨髄細胞の継代1代目細胞) は異所性 (皮下) に骨組織を形成する能力があることが示された。
  • 岩原 弘一, 菅谷 勉, 加藤 ヒロシ, 小平澤 英男
    1997 年39 巻4 号 p. 513-519
    発行日: 1997/12/28
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    歯周治療における垂直性骨欠損の診断に, computed tomography (CT) 像を画像処理したCT3次元立体構築像が有用ではないかと考え, 歯周炎患者の垂直性骨欠損形態の診断におけるCTの有用性を検討した。
    被験者は垂直性骨欠損を有する歯周炎患者5名とし, 被験部位はフラップ手術時に撮影した口腔内写真で垂直性骨欠損形態を確認できた38歯面とした。骨欠損の診断は, 手術を行った歯科医師を除いた歯科医師10名が, CT3次元立体構築像 (CT法), デンタルX線写真のみ (D法), デンタルX線写真とポケットプロービングを併用する方法 (D+P法) の3つの診断方法を用いて行った。診断項目は, 頬舌側面の垂直性骨欠損と隣接面の垂直性骨欠損および隣接面の垂直性骨欠損における頬側壁と舌側壁の有無とした。診断精度の評価には受信者動作特性 (ROC) 解析を用いた。その結果, CT法の診断精度は, 頬舌側面の垂直性骨欠損では, D法に比較して有意に高く, D+P法とは差がなかった。一方隣接面の垂直性骨欠損の有無の判定では, CT法の診断精度は, D法とD+P法とほぼ同等であったが, 垂直性骨欠損の頬側壁と舌側壁の診断では, CT法の診断精度は他の2法よりも有意に高かった。以上の結果から, CT3次元立体構築像は, 歯槽骨の垂直性骨欠損形態の診断に有用性が高いと思われた。
  • 山蔦 佐和, 鴨井 久博, 高崎 絵美, 吉田 晶子, 神田 善姫, 大崎 忠夫, 松村 彰子, 兼坂 ゆきの, 佐藤 聡, 鴨井 久一, ...
    1997 年39 巻4 号 p. 520-527
    発行日: 1997/12/28
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    本研究では, 歯ブラシヘッド部が小型化された新型反回転式電動歯ブラシにおける歯肉退縮模型の清掃効果についての検討を行った。
    実験に使用した歯ブラシは, 電動歯ブラシとして毛束が2列10束よりなる従来型, 2列6束よりなる新型の反回転式電動歯ブラシインタープラークを, また, 手用歯ブラシとしてGUM#211を使用した。歯肉退縮模型は, 1.5mm歯肉退縮模型と, 3.0mm歯肉退縮模型の2種類を用いた。また, 正常歯肉模型を用いての検討も行った。清掃方法として, 電動歯ブラシ群においては歯面に対し毛束を直角にあて1歯15秒間のブラッシングを行わせ, 手用歯ブラシにおいては, スクラッビング法に準じた方法で1歯15ストロークでブラッシングを行わせた。ブラッシング圧は, 簡易加重測定装置を用い, 250gの一定圧で, 各模型5回計測をした。人工プラーク除去率の測定方法は, 規格撮影装置で撮影後, コンピューターに取り込み, NIH imageを用いて規格面積中の残存プラークの面積を測定した。
    統計学的検索は, 2元配置分散分析を用いた。
    全プラーク除去率は, 正常歯肉模型および1.5mm歯肉退縮模型において従来型>新型>手用歯ブラシの順に, 3.0mm歯肉退縮模型においては従来型>手用>新型歯ブラシの順に, プラーク除去率が高い値を示した。歯肉退縮模型では大臼歯部隣接面において新型歯ブラシが他の歯ブラシと比較して高いプラーク除去率を示す傾向が認められた。
  • 金谷 一彦, 佐藤 雅人, 長谷川 明
    1997 年39 巻4 号 p. 528-539
    発行日: 1997/12/28
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    平成7年1月から12月までの1年間に, 当科で施行された歯周外科手術について臨床集計による観察を行い, 10年前の臨床集計の結果と比較し検討を加えた。
    その結果, 歯周外科手術数は121症例, 男性68例, 女性53例, 平均年齢51, 0歳であった。手術部の疾患の進行度は, 軽度3.6%, 中等度44.6%, 重度51.8%であった。手術目的別では, 歯周ポケットの除去を目的とした手術が全体の59.7%を占め, 次いで根分岐部病変の改善を目的とした手術が多かった。手術別分類では, フラップ手術が98例と最も多く, 次いで歯周歯槽骨外科手術54例, 根分岐部病変外科手術33例の順に多かった。手術前プラークコントロールレコードは, 0~20%が全体の67.6%, 歯肉出血指数は0~20%が全体の69.5%占めていた。フラップ手術においては5mmの歯周ポケットに対して最も多く手術が施行された。根分岐部病変外科手術においては3度の根分岐部病変に対して最も多く手術が施行された。
  • 大森 みさき, 川俣 晴海, 金谷 一彦, 廣木 祐子, 長谷川 明
    1997 年39 巻4 号 p. 540-544
    発行日: 1997/12/28
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    歯周外科的処置後の治癒に対する喫煙の影響を検討するために初期治療後に残存する歯周ポケットの改善を目的として歯周外科手術を行った患者を喫煙習慣の有無で分け, 術前, 術後の歯周ポケットの深さの変化を調査した。対象は歯周外科手術を行った患者57名 (男性32名, 女性25名, 27~66歳, 平均49.9歳) で, 喫煙者は25名, 非喫煙者は32名であった。被験部位は手術前に4mm以上のポケットを認めた414部位とした。手術はWidman改良法または歯肉弁 根尖側移動術によって行った。術後の再評価は2カ月後以降に行った。
    手術前後で喫煙者/非喫煙者間にProbing Depth (PD), Gingival Bleeding Index (GBI), Plaque Control Record (PCR) に差異はみられなかったが, PDを部位別に検討した結果, 喫煙者の上顎口蓋側のPDの改善が非喫煙者に比べ有意に少なかった (P<0.05) 。
    これらの結果より喫煙の影響によって歯周外科手術後に上顎口蓋側の治癒が阻害される可能性が示唆された。
  • 半月状歯肉弁歯冠側移動術を用いた歯肉退縮の治療
    申 基テツ, 小林 之直, 元村 洋一, 荒木 久生, 大音 孝一, 宮田 隆
    1997 年39 巻4 号 p. 545-554
    発行日: 1997/12/28
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    上顎前歯部唇側にMille rclass I (垂直的な歯肉退縮量が4.0mm以下の辺縁歯肉退縮) を認めた18歯, 被験者12名に対して, 半月状歯肉弁歯冠側移動術による露出歯根面の被覆を行い, 術後18ヵ月における臨床的評価を行った。臨床的評価の基準となる歯周病学的パラメーターとして, 垂直的歯肉退縮量 (VRD), プロービングアタッチメントレベル (PAL), 角化組織の幅 (KTW), プロービングポケットデプス (PPD) を術前および術後6ヵ月ごとに測定した。なお, 測定に際してはプロービングによるポケット底部への負荷圧を20gに保つことのできるTPSプローブを用いた。その結果, 術後18ヵ月における垂直的根面被覆量は平均1.8mm (92.1%の垂直的根面被覆率), プロービングアタッチメントゲインは平均1.9mmであり, ともに術前に比べ統計学的に有意差を認めた (p<0.0001) 。一方, 平均0.4mmのKTWの増加, 平均0.2mmのPPDの減少を認めたが統計学的な有意差は認められなかった。さらに, これらの各パラメーターを天然歯群と補綴歯群とで評価したところ, 天然歯群の方でわずかに良好な結果が得られたが統計学的有意差は認められなかった。
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