パーソナリティ研究
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摂食障害傾向を持つ女子大学生の性格特性について
大森 智恵
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2005 年 13 巻 2 号 p. 242-251

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抄録

本研究では,女子大学生の中の摂食障害傾向を持つ者にはどのような性格特性があるのかについてMMPIを用いて検討することを目的とした.その結果,摂食障害傾向を持つ者は11の臨床尺度で摂食障害傾向を持たない者よりも有意差に高い値を示した.各尺度に注目すると,摂食障害傾向を持つ者は自己統制がきかず衝動的に行動する傾向を示す第4尺度(精神病質的偏倚尺度)が高くならず,活動的で自己主張性を示す第5尺度(男子性・女子性尺度)が低くならなかった.これらのことから摂食障害傾向を持つ者は摂食障害者が示すとされる受動攻撃性はみられなかった.第4尺度が高くなかったことについては過食・嘔吐を抑制する可能性が,また受動攻撃性がみられなかったことについては気持ちや感情などを歪めずに表出できる可能性が考えられ,それらが摂食障害の発症を抑制している可能性が示唆された.

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© 2005 日本パーソナリティ心理学会
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