パーソナリティ研究
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自尊心の高低・不安定性の2側面と達成動機の関連
脇本 竜太郎
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2010 年 18 巻 2 号 p. 117-128

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抄録

本研究では自己充実と競争という2種の達成動機と自尊心の高低・不安定性の2側面との関連を検討した。達成行動は自我脅威への脆弱性に阻害される。また,自尊心の高低と自我脅威への脆弱性の関係は,自尊心の不安定性に調節される。一般には高自尊心が達成行動に結びつくと考えられがちであるが,上記のことから自尊心の高低と達成動機の関係も,自尊心の不安定性に調節されると考えられる。大学生・大学院生57名を対象とした1週間の日誌法の調査により,この予測を検証した。その結果,自尊心が安定している場合は自尊心が高いほど自己充実的達成動機が強いことが示された。対照的に,自尊心が不安定な場合,自尊心が高いほど自己充実的達成動機が弱いという結果が得られた。一方,競争的達成動機については自尊心の高低・不安定性との関係が見られなかった。これら結果の理論的・実践的示唆について論じた。

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© 2010 日本パーソナリティ心理学会
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