本研究の目的は,境界性・自己愛性・演技性・依存性・回避性パーソナリティ障害特性(PD特性)における自己認知,被拒絶感および他者からの評価に対する欲求間の関連性について検討することであった。質問紙調査を行い,大学生362名を分析対象者とした。仮説を基に共分散構造分析を行った結果,被受容感がPD特性と自己認知との間を部分的に媒介しており,自己認知もPD特性と被受容感・被拒絶感との間を部分的に媒介していた。一方で,被受容感の低さはPD特性と他者からネガティブに評価されたいという欲求との関連を媒介していることが示された。これらの結果から,被受容感の低さがPDにおける不適応的な対人相互作用に強く関連していることが示唆された。