2015 年 24 巻 1 号 p. 26-37
Dark Triad (DT)とはマキャベリアニズム,サイコパシー傾向,自己愛傾向という3つの反社会的なパーソナリティ特性を指す。本研究の目的は,DTを簡便に測定できるDark Triad Dirty Dozenの日本語版(DTDD-J)を作成し,信頼性と妥当性を検討することであった。246名の大学生がDTDD-J,各DT特性に対応する既存のDT尺度,ビッグファイブ尺度に回答した。確認的因子分析の結果,各DT特性に対応した3つのグループ因子と総合的なDT特性による1つの一般因子から構成されることが示された。内的信頼性はサイコパシー傾向を除くといずれも高い値が示された。併存的妥当性と弁別的妥当性についても概ね先行研究を支持する結果であった。以上から,DTDD-JはDTを包括的,かつ効率的に測定できる尺度として一定の信頼性と妥当性を持つことが示された。