パーソナリティ研究
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原著
自己像の不安定性,自己注目と心理的ストレス反応の関連におけるアイデンティティの媒介効果
柴田 康順
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2023 年 32 巻 2 号 p. 85-95

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抄録

本研究は,自己像の不安定性が自己注目に影響し,自己注目から心理的ストレス反応に影響するプロセスにおけるアイデンティティの媒介効果について検討することを目的とした。大学生および大卒者を対象とした質問紙調査を行い,構造方程式モデリングを行った。その結果,自己像の不安定性は反芻,混乱を強め,反芻,混乱はともに心理的ストレス反応を全体的に強めていた。省察は統合を強め,混乱を弱めていた。混乱は心理的ストレス反応を全体的に強める一方,統合は無気力を弱めるのみであった。同じモデルで媒介分析を行った結果,アイデンティティは,反芻と心理的ストレス反応の間で部分媒介,省察と心理的ストレス反応の間で完全媒介していた。本研究の結果から,アイデンティティの問題は自己像の不安定性に起因した反芻,混乱によってメンタル不調に陥る可能性があること,自己像の不安定性および反芻への介入がメンタル不調の予防に有効であることが推測される。

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© 2023 日本パーソナリティ心理学会
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