パーソナリティ研究
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原著
日本語版損失回避尺度の妥当性と信頼性の検討
長谷 和久, 清水 寛之, 毛 新華
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電子付録

2026 年 35 巻 2 号 p. 106-118

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抄録

損失回避性とは,利得よりも損失の方が心理的な影響が大きいとされる心理的傾向であり,さまざまな意思決定バイアスの根本的な原因の1つとみなされている。例えば,損失回避性は保有効果やサンクコスト効果といった現象の一因になると考えられている。従来まで,個人の損失回避性は意思決定場面を用いた最大能力的パフォーマンスとして測定されてきたが,典型的な傾向を測定する方法が求められてきた。本研究では,損失回避尺度(Loss Aversion Scale)の日本語版(J-LAS)を作成し,その妥当性と信頼性を検討した。780名を対象としたウェブ調査の結果,J-LASは原版と同様に一次元性を仮定できることが確認された。また,J-LASは所有効果に対する感受性,サンクコスト効果に対する感受性,およびリスク下の意思決定を予測しており,構成概念妥当性が示された。しかし,再検査信頼性(r = .53)は先行研究で報告されている心理尺度の水準よりも低く,損失回避性はパーソナリティ特性ほど時間的に安定していない可能性が示された。こうした限界を踏まえ,J-LASを適切に使用できる文脈について考察する。

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