2026 年 35 巻 2 号 p. 123-134
本研究は,Gaspard et al. (2020)に基づく課題価値尺度の邦訳版を作成し,日本の小学生・中学生を対象に,数学と英語の2教科でその妥当性と信頼性を検証することを目的とした。調査会社を通じてweb調査を実施し,保護者同伴で回答を求めた小中学生800名のデータを分析対象とした。確認的因子分析の結果,概ね良好な適合度が確認され,各下位因子の内的一貫性も概ね良好であった。また,多母集団同時分析の結果,性別および学校段階に関する強測定不変性が支持された。さらに,下位因子間の相関や学習継続意図・進路選択意図・学習回避意図との関連は,概ね理論的予測と整合していた。以上より,本研究によって邦訳された尺度は,わが国の児童生徒の課題価値の認知を多面的に把握するための一定の妥当性・信頼性を有していることが示唆された。