物理教育
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回折縞を2色の2次波の作図で示す一方法
吉良 公宏
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1981 年 29 巻 3 号 p. 179-181

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抄録

波の回折現象の特徴である,『波長に較べてスリットの幅が小さいほど波は大きく回折する』ことをHuygensの原理によって説明するには,Fresnelの半波長帯を利用するのが明確ではあるが波動の学習を始めたばかりの高校生には解りにくいようである.そこで2次波を何本も描き,色鉛筆を使って,直接作業を通して図面上に回折模様が現われてくる作図方法を考えた.作図結果はFresnelの理論ときれいに一致する.OHP用の透明シートにカラーフィルムを張り重さねてやると色調の差から回折縞の2次の極大もうまく現われてくる.作業時間が長いのは欠点であるが,生徒各自に波長とスリット幅の種々の比を与えて作図させると理論と一致するかという興味も手伝って授業に活気が出,手作業を通して学ぶ良い教材となる.

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© 1981 日本物理教育学会
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