放射性物質の半減期測定実験用線源としては,これまで非密封ラジオアイソトープや,加速器で照射して得られる短半減期の核種が使用されて来た.しかしこれらを用いる場合は,RI取扱い上の注意や加速器運転に伴なう煩雑さ等が問題となる.我々は炉紙と小型真空ポンプによる吸引集塵法により,地中から湧出する放射性物質を捕集して,数千カウント/分程度の計数率で半減期およそ30分程の放射性物質試料を得ることが出来た.この物質はRaBを主体とするもので,ガイガー計数管による半減期測定実験の線源として十分に使用でき学生実験に好都合と考える.しかも試料の放射線の強度は,法令に定められた値に比べはるかに小さく,人体への放射線の影響は全く問題とならない程度のものである.