物理教育
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電池とモーターを用いた高校物理実験
片桐 泉
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1981 年 29 巻 3 号 p. 212-215

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抄録

現代の高校物理における題材や実験は,生徒にとって現実生活からかけ離れている所が少なくない.それは,学習意欲をそぐ一要因となっている.そこで,現代の高校生が幼小のころから現在にいたるまで,身近で手にして来ている電池とモーターに着目し,それらを用いて新たな力学等の実験を工夫した.まず,乾電池の電圧の変化は経験的には起こるが教科書等では教えていないという所から導入し,どの電池を使えば一番得かを示す実験を行った.そして,日ごろ手にしているラジカセ等の発光ダイオード,豆電球などはオームの法則に従わないことを示した.さらに,モーターと乾電池を使用し,消費電力量から定量的に位置エネルギーを求める実験をおもちゃの電車を利用して試みた.次に,モーターを発電機として使用して,運動のエネルギーとは速度の2乗に比例すると考えるのが妥当であることを示し,最後に,運動の法則へ発展させた.

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© 1981 日本物理教育学会
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