1985 年 33 巻 1 号 p. 26-30
本稿では,マレーシアでの物理の予備教育の実状を,前回(Vol.32, No.2)報告したとは異る側面,異る分野について述べる.そして,その状況のなかで展開された「波動」の学習指導過程を分析した結果,授業の流れが,「……,だから」とか「……,よって,……」という構造になっているところで学生は困惑し,また,理解の流れが,A=B, B=C,ならばA=Cである,という仕組みになっているところでも戸惑いを示している,ことがわかった.これらのことは,2回の試験の結果にも現れている.以上のことは,普通の物理教育を考察するさいにも参考になるのではないかと考え,報告する.