音叉による閉管内の気柱の振動について考察するために,音叉から発生した音波が,ただ固定端である水面で反射されるだけでなく,自由端である管口でも反射されることを考慮し,これらの反射によって管内にとじ込められている音波をすべて重ね合わせた多重波によって,任意の長さの気柱の粒子変位を表現する理論式を導出した.このとき,音叉から発生した音波が,管口で反射を繰り返すたびに,その振幅はe^<-r>倍ずつ小さくなるものと仮定した.その結果,音叉によって気柱が共鳴を起こす場合と,共鳴を起こさない場合を,統一的に記述できるようになった.気柱の粒子変位を表わす多重波の振幅が最大になるとき,管口に腹,水面に節ができる定常波で表わされる共鳴が起こるが,この条件から,共鳴が起こるときの気柱の長さを導き出すことができる.また,気柱の長さが,この値と異なるときは,水面は節ができるが,管口では腹にはならず,振幅の小さい定常波となることが導かれる.さらに,粒子変位を表わす式から気柱の長さに依存した音圧を表わす理論式を導き出すことができ,この式を用いて,気柱の長さを変化させるとき,水面に浮かせたクリスタルレシーバーを使用して測定できる音圧の値と比較できる関係式を得た.
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