1986 年 34 巻 2 号 p. 100-104
私達は,学校教育外での物理に関する教育的活動「一般の人々とのコミュニケーション」を研究されるべき重要な活動であると考える.今回は,主に科学雑誌をとりあげ,これを考察した.上智大学学生を対象としたアンケートを実施し,科学知識を得る情報源,科学雑誌の購読状況,物理及び科学についての関心,興味ある分野を調査した.これをもとに,他の調査結果を交えて,一般の人々の物理に関する知識の源としての雑誌の役割,最近の科学雑誌の記事内容と誌面構成から見た傾向,そして,一般の人々とのコミュニケーションのあり方について論じた.今年は「科学万博」が開催され,多くの入場者を集めた.しかし,それが,科学という名に値する内容であったかどうかは疑問が多いところである.私達は,このことを機に,学校教育とは異なった場での物理教育「一般の人々とのコミュニケーション」を考えてみることにした.