物理教育
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透過型回折格子フィルムによる分光観察と波長計算の実践(<特集>北海道支部)
長谷川 誠
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2009 年 57 巻 1 号 p. 47-49

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抄録

分光観察,光の波長の簡易計算,CDやDVDのトラック間隔の計算を簡単に行える理科実験プログラムを紹介する。スリットが設けられた透過型回折格子フィルム(1000本/mm)に懐中電灯の光をあて,透過光をスクリーン上で分光きせる。このとき,スクリーン上での光の中心からある色までの距離,なちびに回折格子フィルムからそのスクリーン上のその色までの距離を測定すれば,その色の光の波長を,三角関数の演算を行わずに簡単な乗除計算のみで求めることができる。CDまたはDVDから透明なディスク片を作成し,これを回折格子の代用として懐中電灯の光を分光させた状態では,上記の波長の値を用いて,CDやDVDのトラック間隔(回折格子の格子ピッチに相当する)を簡単に計算することができる。この実験内容は,主に中高生向けの理科実験授業などで実際に演示しているが,特に困難も無く波長の計算を行わせることができる。

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© 2009 日本物理教育学会
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