静脈学
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原著
肺塞栓症に対する診断および治療方針
小林 昌義黒瀬 公啓小畑 貴司原田 良知飛田 研二四方 裕夫坂本 滋松原 純一
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2002 年 13 巻 1 号 p. 23-28

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抄録

約15年間に経験した肺塞栓症症例21例につきその原因,診断,治療につき検討した.治療前ショック症状を呈した症例は8例.ショック症状のない症例は13例で全く症状のない例が9例だった.上肢あるいは下肢の深部静脈血栓症が先行していた例は16例で無関係のものが5例だった.5例に外科的治療を施行したがカテーテル血栓溶解療法(CDT)が3例,開心血栓塞栓除去術が2例に施行された.残り16例は末梢静脈からの抗血栓療法のみで軽快した.遠隔期再塞栓予防のため経口抗凝固剤は全例に投与されており,また13例に下大静脈フィルターを留置した.ショック症状を呈した肺塞栓症例でCDT,開心血栓塞栓除去術施行し得た症例は救命し得た.血行動態の安定した肺塞栓症例では末梢静脈からの抗血栓療法のみで十分な治療効果が得られた.

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