静脈学
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原著
静脈性血管瘤(Venous aneurysm)症例の検討
佐々木 規之飛田 研二四方 裕夫坂本 滋松原 純一
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ジャーナル オープンアクセス

2004 年 15 巻 3 号 p. 233-238

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抄録

静脈性血管瘤(venous aneurysm)は稀な疾患であるが,四肢の表在静脈や頚静脈においてはいくつかの報告がみられる.今回我々は1998年6月から2002年10月の4年間に,橈側皮静脈に発生した2例,小伏在静脈に発生した2例,上腸間膜静脈に発生した1例の計5例を経験した.橈側皮静脈に認めた1例に紡錘状の静脈性血管瘤を認め,他の4例はいずれも嚢状を呈していた.全例に切除術が行われ,上腸間膜静脈に発生したものは,瘤切除後に自家静脈を用いて再建術を行った.膝窩静脈領域に発生した静脈性血管瘤では肺塞栓症を高率に合併することから早期に手術を要する.また門脈領域に発生したものでは,破裂を認めることが稀ではないため,発見後直ちに手術が必要である.

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