静脈学
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原著
深部静脈血栓症におけるFDP,D-dimer値の推移の検討
内田 智夫
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キーワード: 深部静脈血栓症, FOP, D-dimer
ジャーナル オープンアクセス

2006 年 17 巻 1 号 p. 23-29

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抄録

ウロキナーゼとヘパリンの点滴静注治療を行った発症後14日以内の深部静脈血栓症患者における血中FDP(fibrinogen degradation product),D-dimerの推移を検討した.対象は男性11例,女性13例.年齢29~88歳(平均61.5歳).治療箭のFDP,D-dimerはそれぞれ,19.1±10.8, 10.2±5.1μg/mlであった.治療中のFDP,D-dimerはほぽ同様に減少し,2週間前後で正常値となった.治療前のFDP(Y1),D-dimer(Y2)値と推定される発症日から初診時までの日数(x)の関係をみると,それぞれY1=30.558-2.237x, R=0.678, p=0.0005, Y2=13.883-0.689x, R=0.453, p=0.03の相関を示した.治療薗のFOP, D-dimerは病悩期間が長くなるほど漸減する傾向を示し,その数値からある程度発症時期を拙測することができる可能性が示唆された.

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