2006 年 17 巻 1 号 p. 17-22
当院では下肢静脈掴に対し,医療側の重症度評価や検査所見のみならず,患者側の要求にも応え治療法を選択してぎた.今回,重症度による治療法の選択と,治療結果からみた治療方針の妥当性について検討した.当院で治療した下肢静脈瘤症例,448例469肢を対象とした.硬化療法は31肢,外来での結紫療法(結紫+硬化療法も含む)は394肢,入院手術加療は31例44肢で,全体の9.4%であった.入院症例の重症度はC6症例が10肢,C5症例が3肢,C4症例が15肢,C3症例が3肢,C2症例が13肢であった.C5症例は10肢中3肢に,C4症例は99肢中15肢のみに入院加療を行った.外来結葉療法を行った症例のうち,約96%で症状の軽減が得られた.外来での結紫療法でも十分満足しうる結果であったが,潰瘍症例ではストリッピング術を中心とした入院手術加療でconsensusが得られるのではないかと考えられた.