静脈学
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原著
大伏在静脈ストリッピング術におけるエコーガイド下大腿神経ブロックの実際
白石 恭史
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ジャーナル オープンアクセス

2009 年 20 巻 1 号 p. 13-17

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抄録

大伏在型静脈瘤107例に対してエコーガイド下大腿神経ブロック(ultrasound-guided femoral nerve block; UFB)を用いてperforated invaginated(PIN)strippingをおこなった.UFBにおいては,8.5MHzリニア型探触子を鼠径靭帯と鼠径部皺襞の間で大腿動脈と直行するように置き,外側回旋動脈を避けて1%キシロカイン6~10mlを注入した.ブロック後,鎮痛効果は全例1分以内に発現した.また,併用したtumescent local anesthesia(TLA)用キシロカイン溶液量と鎮静に用いたミダゾラム投与量および大腿神経麻痺の出現頻度を検討した結果,12例(11%)はTLAを必要とせず,48例(45%)にはミダゾラムを必要としなかった.一方,大腿四頭筋麻痺が100例(93%)に出現した.UFBは高い麻酔効果と確実性を持っているが大腿四頭筋麻痺に対する十分な注意とそれを回避する工夫が必要である.

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