静脈学
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総説
リンパ浮腫の診断と治療
小川 佳宏
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ジャーナル オープンアクセス

2011 年 22 巻 1 号 p. 1-9

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抄録

リンパ浮腫は,慢性期になると組織の線維化や脂肪組織の増加がみられ,症状を改善しづらくなるため,発症早期に診断して治療を開始し,悪化させないようにすることが望ましい.診断にはリンパ管の状態を確認することが必要だが,確定診断のための画像診断は一部の医療機関でしか行えない.一般診療で浮腫を訴えて来院した患者には,問診・視診・触診を行い,リンパ浮腫を考えれば超音波検査を使用して浮腫の状態や合併症などについて確認する.リンパ浮腫の治療には,複合的治療と呼ばれる保存的治療が有効であるが,できるだけ発症早期から行うことが望ましい.最近顕微鏡を使用したリンパ管静脈吻合手術が注目されているが,手術前後に保存的治療を行うことが推奨されており,複合的治療が全国どこの医療機関でも行える治療になることを期待している.

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