静脈疾患やリンパ浮腫などの疾患のない一般健康人にみられる下肢浮腫の疫学,評価法,予防法について記述した.働く女性への疫学調査では,下肢の中で最もむくむ部位は,下腿,足関節部,足部,大腿部の順であった.しかし,老人保健施設の調査では,下肢の浮腫はとくに車イス生活者に高頻度であり,また車イス生活者では重力の影響が大きい足関節部,足部に高度の浮腫が観察された.新たに改良した三次元形状計測装置を用いた検討では,22 mmHgの弾性ストッキングに下腿,足関節部ばかりではなく足部においても浮腫への予防効果が認められた.