静脈学
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総説
エビデンスに基づいたリンパ浮腫の保存的治療
小川 佳宏
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2013 年 24 巻 4 号 p. 447-456

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抄録

要約:リンパ浮腫は,発症すると完治させることは困難である.しかし発症早期から適切な診断をうけ,患肢にあった適切な保存的治療を行い,症状を安定させることは可能である.保存的治療には,日常生活指導,患肢のスキンケア,リンパドレナージ,圧迫療法,運動療法などが含まれるが,それぞれの治療効果を検討したエビデンスレベルの高い文献は少ない.圧迫療法の効果を示す文献は多いが,不適切な圧迫方法で症状が悪化した症例もある.リンパドレナージ単独での治療効果は不十分とされるが,発症早期の上肢リンパ浮腫では,リンパドレナージ単独で改善する症例もある.スキンケアや運動療法は,効果の検討が難しいが,患肢に繰り返す炎症や肥満が,症状の悪化要因となるリンパ浮腫では,日常生活指導で炎症や体重をコントロールすることが,悪化を防ぐ可能性がある.患肢の状態は症例ごとに異なるため,どの治療内容を選択して行うかは臨床での経験が重要である.

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