抄録
要約:伏在静脈型下肢静脈瘤の手術後に弾性ストッキング着用を1 カ月間継続した690 例1015 肢を対象とし,手術前後での下腿周径の変化を検証した.手術1 カ月後に腓腹部周径が1 cm 未満減少した症例が37.6%,1 cm 以上2 cm 未満減少した症例が38.9%,2 cm 以上3 cm 未満減少した症例が17.5%,3 cm 以上減少した症例が5.9%であった.術前のvenous filling index(VFI)別にみると,VFI<4.0 ml/sec 群では術後に0.9±1.0 cm 減少,4.0 ml/sec≤VFI<8.0 ml/sec 群では1.3±1.1 cm 減少,VFI≥8.0 ml/sec 群では1.6±1.1 cm 減少し,術前VFI が高くなるにつれ術後の下腿周径は減少する傾向が示された.術後も中長期にわたって弾性ストッキング着用を継続する場合,その適正サイズが術前と異なっている可能性があり注意を要する.