下肢静脈瘤に対する硬化療法は2000年ころを境に硬化剤をそのまま使用する液状硬化療法から効果の高いフォーム硬化療法に切り替わってきた.本邦でもフォーム硬化療法に関する報告が散見されるようになったが,その多くは主に伏在静脈瘤に対する治療報告であり,標準的な手術が向かない定型的な分類が困難な複雑な形態をした下肢静脈瘤に対するフォーム硬化療法単独によるまとまった治療報告は検索しうる限りみあたらない.筆者は16例21肢(男性4例4肢,女性12例17肢)の非伏在型下肢静脈瘤に対するフォーム硬化療法単独の治療を行った.色素沈着や内腔の血栓による硬結が出現する場合もあったが,多くは徐々に改善し,概ね良好な治療効果が得られた.複雑な形態をした非伏在型静脈瘤に対して手術的に切除する方法に比べフォーム硬化療法は簡便であり第一選択となりうると考えられる.