静脈学
Online ISSN : 2186-5523
Print ISSN : 0915-7395
ISSN-L : 0915-7395
原著
Direct oral anticoagulant導入後の深部静脈血栓症症例の検討
新美 清章小山 明男川井 陽平秋田 直宏藤井 孝之榊原 昌志鶴岡 琢也高橋 範子杉本 昌之児玉 章朗坂野 比呂志古森 公浩
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2018 年 29 巻 1 号 p. 13-19

詳細
抄録

目的:今回DOAC(direct oral anticoagulant)導入後の深部静脈血栓症(DVT)の治療成績について検討.

対象・方法:2015年1月から2016年12月までのDVT 39例(エドキサバン20例・リバーロキサバン9例・アピキサバン10例)を対象.

結果:平均年齢66.4歳,平均観察期間は4カ月,担がん状態22例(56.4%),初期ヘパリン使用は5例であった.リバーロキサバン4例・アピキサバン5例で初期強化療法行った.血栓の縮小または完全消失はDVTで69%,肺塞栓症(PE)で88.9%であったが,DOACの種類・初期強化療法の有無で差はなかった.有害事象回避率は3カ月77.1%・6カ月70.1%で,出血イベント回避率は3カ月96.3%・6カ月87.5%であった.有害事象はすべて投与4カ月以内に発生した.

まとめ:DVTに対するDOACでの治療成績は有効性・出血イベント回避率とも良好であり,第一選択として適切と考える.

著者関連情報

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 - 改変禁止 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top