目的:今回DOAC(direct oral anticoagulant)導入後の深部静脈血栓症(DVT)の治療成績について検討.
対象・方法:2015年1月から2016年12月までのDVT 39例(エドキサバン20例・リバーロキサバン9例・アピキサバン10例)を対象.
結果:平均年齢66.4歳,平均観察期間は4カ月,担がん状態22例(56.4%),初期ヘパリン使用は5例であった.リバーロキサバン4例・アピキサバン5例で初期強化療法行った.血栓の縮小または完全消失はDVTで69%,肺塞栓症(PE)で88.9%であったが,DOACの種類・初期強化療法の有無で差はなかった.有害事象回避率は3カ月77.1%・6カ月70.1%で,出血イベント回避率は3カ月96.3%・6カ月87.5%であった.有害事象はすべて投与4カ月以内に発生した.
まとめ:DVTに対するDOACでの治療成績は有効性・出血イベント回避率とも良好であり,第一選択として適切と考える.