静脈学
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原著
複合的理学療法における下肢リンパ浮腫の水分変化 —部位別多周波数インピーダンス法による定量的評価—
戸島 雅宏森野 良久
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2020 年 31 巻 1 号 p. 1-7

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抄録

国際リンパ学会分類病期IIの下肢リンパ浮腫患者36名46下肢を対象に,In Body770を用いて部位別細胞外水分量(ECW),細胞内水分量(ICW),総水分量(TBW)を測定し,下肢腫脹率,超音波皮下組織エコーフリースペース(FS)所見と対比,複合的理学療法(CDT)前後の変化を検討した.患肢ECW/TBW比0.410は健側0.391に比べ有意に高値で,下肢平均腫脹率とECW/TBWの患側/健側比に有意の相関を認めた.リンパ浮腫肢のFS分類3群間でECW/TBW比に有意差を認めた.CDT前後のECW/TBW比は,患肢で0.432から0.414へ,体幹で0.413から0.402へ有意の減少を認め,両上肢は変化を認めなかった.多周波数インピーダンス法による部位別水分量測定は,リンパ浮腫腫脹度,皮下エコー所見とよく相関し,CDT前後の水分変動を表示でき,リンパ浮腫の定量的評価法として有用と考える.

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