静脈学
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症例報告
プロテインS欠乏症合併静脈瘤症例に対し,レーザー焼灼術を施行した1例
家村 順三山本 芳央神原 篤志藤井 公輔
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2020 年 31 巻 1 号 p. 53-56

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抄録

症例は70歳,女性.肺梗塞の既往からプロテインS欠乏症と判明し,ワーファリンによる抗凝固療法が行われてきた.左下腿下部外側に掻痒感のある色素沈着を伴う皮疹が出現.深部静脈に血栓はなく,左小伏在静脈(SSV)に病的逆流を伴う瘤化が認められた(CEAP分類C4a).手術は1470 nm ELVeSレーザーradial 2-ringで施行した.術翌日,小伏在静脈膝窩静脈接合部(SPJ)でのclass II~IIIのendovenous heat induced thrombosis(EHIT)が認められた.INRは1.35であった.ワーファリン増量で血栓はSSV内にすみやかに後退した.プロテインS欠乏症など血栓性素因疾患で,やむを得ずレーザー焼灼を施行する場合は,十分な抗凝固のもとに行うべきであると考えられた.

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