日本写真学会誌
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パンクロ減感色素の構造と性質
大屋 豊尚日置 孝徳
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1999 年 62 巻 1 号 p. 17-21

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抄録

イミダゾ [4, 5-b] キノキサリン環と9-オキソピラゾロ [5, 1-b] キナゾリン環とを有する新規なテトラメチン減感色素1を合成し, その構造と物性との関係を調べた。色素1のイミダゾ [4, 5-b] キノキサリン環に電子吸引性基を導入すると, 色素の酸化電位および還元電位は貴になり, HOMOおよびLUMOレベルが低下することが示唆された。色素1は求核試薬と容易に反応し, メチン鎖炭素への付加体を与えた。色素1へのOH-の求核付加反応をアセトニトリル溶媒中で行うことにより付加体を単離し, 機器分析により構造を明らかにした。付加反応の速度は色素のLUMOレベルと相関した。

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